マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『スティービー・ワンダー「ハッピー・バースデイ」に思う』

 少し前になりますが、5月13日はスティービー・ワンダーの73回目の誕生日でした。そこで、スティービー・ワンダー「ハッピー・バースデイ」の曲を思い浮かべました
「ハッピー・バースデイ」は1981年のシングルです。スティービーは自分のためでなく、公民権運動で大きな働きをして暗殺されたキング牧師の誕生日(1月15日)を祝日にするための社会運動のため、このシングルを制作したのでした。

 スティービー・ワンダーについては、これまで2度、このブログ「マッテアとマルコの家」で取り上げました。表題とURLを下に示しますので、よろしければご覧ください。
2021-08-03に『「神の業」とスティービ-・ワンダー』
https://markoji2.hatenablog.com/entry/2021/08/03/174204
2021-08-10に『スティービ-・ワンダー「Ebony & ivory」に思う』
https://markoji2.hatenablog.com/entry/2021/08/10/203617

 スティービー・ワンダー「ハッピー・バースデイ」を私はこのCDで聞いて言います。2枚組のベスト・コレクションThe Defintive Collection です。

 「Stevie Wonder - Happy Birthday」は、以下のURLのYouTubeで聞く(見る)ことができます。2009年7月19日、ラジオ・シティ・ホールでリンゴ・スター等の歌手や多くの観客と一緒に歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=inS9gAgSENE

Stevie Wonder - Happy Birthday」の歌詞と訳は以下の通りです。

You know it doesn't make much sense There ought to be a law against
Anyone who takes offense At a day in your celebration
'Cause we all know in our minds That there ought to be a time
That we can set aside To show just how much we love you
And I'm sure you would agree It couldn't fit more perfectly
Than to have a world party on the day you came to be
ほら 納得いかない 君をお祝いすることに
腹を立てている人を罰する法律があるべきだ
僕たちはみんな 心の中で分かっているから
僕たちがどれだけ君を愛しているのかを示すための 時間があるべきだって
きっと君は賛成してくれる
この日こそが 世界的なパーティーをするのに最適だ

Happy birthday to you Happy birthday to you
Happy birthday
君に誕生日おめでとう 君に誕生日おめでとう
誕生日おめでとう

I just never understood How a man who died for good
Could not have a day that would Be set aside for his recognition
Because it should never be Just because some cannot see
The dream as clear as he That they should make it become an illusion
And we all know everything That he stood for time will bring
For in peace our hearts will sing Thanks to Martin Luther King
僕には理解できない どうして永遠に死んでしまった男には
彼の功労を認めるための日があってはならないのか
それはただ 彼のように夢を明瞭に見渡せない人がいるから というわけではないのだから
そういう人たちは夢を幻想にしてしまう
そして僕たちはみんな知っている 彼はやってくる時代のために戦った
僕たちが歌う平和のために戦った マーティン・ルーサー・キングのおかげで

Happy birthday to you Happy birthday to you
Happy birthday
君に誕生日おめでとう 君に誕生日おめでとう
誕生日おめでとう

Why has there never been a holiday Where peace is celebrated
世界中で平和を祝う そんな祝日がなぜないのだろうか

All throughout the world The time is overdue
For people like me and you Who know the way to truth
Is love and unity to all God's children It should never be a great event
And the whole day should be spent In full remembrance
Of those who lived and died for the oneness of all people So let us all begin
We know that love can win Let it out don't hold it in
Sing it loud as you can
期日は過ぎてしまった
僕や君のような 真実の方法を知っている人々にとって 
それは愛と全ての神の子たちの団結である 盛大なイベントであるべきだ
すべての人々の団結のために生き 死んでいった人々を 全て思い出すために その丸一日を過ごすべきだ だからみんなで始めよう
愛が勝ちうることを 僕たちは知っている 外に出よう 内に秘めてはいけない
できるだけ大きな声で歌おう

Happy birthday to you Happy birthday to you
Happy birthday
君に誕生日おめでとう 君に誕生日おめでとう
誕生日おめでとう

We know the key to unify all people Is in the dream that you had so long ago
That lives in all of the hearts of people That believe in unity
We'll make the dream become a reality
I know we will Because our hearts tell us so
誰でも 世界が一つになるための 鍵の在り処は分かっている
それはその人が ずっと昔に見た夢の中に今も眠ったまま心に息づいてる 
世界は一つになれると信じてる人の心に 
きっとやれる 僕らの心がそう言っているから

 3節に「Who know the way to truth is love and unity to all God's children.(真実の方法を知っている人々にとって それは愛と全ての神の子たちの団結である)」とあります。
 ここから、この聖句を思い浮かべました。
「生きているのは、もはや私ではありません。キリストが私の内に生きておられるのです。私が今、肉において生きているのは、私を愛し、私のためにご自身を献げられた神の子の真実によるものです。」(ガラテヤの信徒への手紙2:20)
 私たちはキリストの真実によって義とされた神の子です。私たちは祈りの最後に「主イエス・キリストの御名によって祈ります」等と唱えますが、この「キリストの御名によって」の直訳は「キリストの名の中に」で、「キリストを帯びて」とか「キリストを着て」という意味です。「キリストが内に生きて」と言ってもいいと思います。私たちはキリストが内に生きている神の子です。
 私は、長年のバプテスト教会の信者であるスティービーの信仰が「Love and unity to all God's children(愛と全ての神の子たちの団結)」という歌詞を生んだと考えます。

 スティービーはこの歌を使ってキング牧師の誕生日を祝日にするためのキャンペーンを続け、その甲斐あって、1983年10月に議案が上院を通過し、レーガン大統領は1983年11月3日、法案に署名しました。1986年から、1月の第3月曜日が「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー」としてアメリカの祝日となりました。この「キング牧師記念日」は、大統領ではない著名な人物、さらにアフリカ系アメリカ人による初めての祝日でした。

 私たちは「キリストが内に生きて」いるという真実に基づく祈りにより、私たちのこの社会が主の御旨にかなうものとなるように活動したいと願います。