マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『「赤毛のアンのテーマ」に思う』

 先週の土曜は、第4回「キリスト教文化入門」が開催されました。初めての方2名を含む9名の参加者がありました。この集いでは「赤毛のアン」を英語で読み、背景にあるキリスト教精神やキリスト教文化等について思い巡らしています。ALTのクリスも参加しており、生の英語で学んでいます。先日は「CHAPTER III.Marilla Cuthbert is Surprised 第3章マリラ・カスバートの驚き」でした。私は、この箇所がこの本のテーマと関連する重要な場面だと思いました。当日のテキストは、マシューとマリラがアンの扱いに議論するところやアンが「コーディリア」と呼んでほしいと願うところを取り上げていました。私は、これの箇所だけでは第3章は物足りないと思い、追加資料を用意しました。それは以下のようです。

・・・・・・・
ANNE OF GREEN GABLES
By Lucy Maud Montgomery

CHAPTER III.
Marilla Cuthbert is Surprised

“Well, now, no, I suppose not—not exactly,”stammered Matthew, uncomfortably driven into a corner for his precise meaning.“I suppose—we could hardly be expected to keep her.”
“I should say not. What good would she be to us?”
“We might be some good to her,”said Matthew suddenly and unexpectedly.(Bantam Books P.28-29)

「そうさな、いや、その・・・はっきりそう思ってるわけではないがの」マリラに真意を問い詰められ、マシューは口ごもった。「だがな・・・あの子を引き取るのは、やっぱり難しいかのう」
「当たり前ですよ。あの子が私たちの何の役に立つんですか?」
「わしらが、あの子の役に立つかもしれないよ」突然、マシューは思いがけないことを言った。(松本侑子訳P.53)

From The Bible 

ACTS 20:35(NRSV)
In all this I have given you an example that by such work we must support the weak, remembering the words of the Lord Jesus, for he himself said, ‘It is more blessed to give than to receive.’”

使徒言行録20章35節
あなたがたもこのように労苦して弱い者を助けるように、また、主イエスご自身が『受けるよりは与えるほうが幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、私はいつも身をもって示してきました。」
・・・・・・・

 私が読んでいるのはこの英文の本です。

 この28ページから29ページにかけて上記の文がありました。ここのマシューの言葉が「赤毛のアン」のテーマの一端を示してるように思います。それは、ケネディ大統領ではありませんが、自分が何かをしてもらうのでなく、自分が何をできるか、ということだと思います。そしてマシューのその言葉は、、パウロが話した主イエス様の文語訳で親しんでいた「与うるは受くよりも幸いなり」のみ言葉に基づくキリスト教精神から生まれたと思うのであります。

 次回の「キリスト教文化入門」は3月9日午後4時から、テキストは「CHAPTER Ⅳ. Morning at Green Gables 第4章グリーン・ゲイブルズの朝」です。「赤毛のアン」や「キリスト教文化」、英語等に関心のある方、どうぞご参加ください。お待ちしています。