マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『お祈りはACTS』

 2024年度が始まりました。私にとっては定年までの最後の一年です。悔いのないようにできる限りの宣教・牧会に努めたいと思います。その一環で4月から「聖書に聴く会(Zoom)」の名称と内容を変更しました。「聖書と祈りの会」とし、聖書理解の分かち合いと自由祈祷の学び等を行うことにしました。
 その理由は、この会を説教で言い足りなかったことの補強や重箱の隅をつつくようなものでなく、一人一人が自分で聖書を理解しそれを分かち合うとともに、神様との距離を短くし、自分の言葉で祈ることができるようになってほしいとの願いからでした。
 先週のこの会では、祈りの具体的な方法として「ACTS」について学びました。事前に資料を参加者にメールで配布しましたが、それはこの小冊子からのものでした。BSA<信徒叢書7>の今井烝治司祭の「聖公会という名の教会(二)」です。

    この中のP.4、5にこうあります。

 この資料にありますように、祈りは神様との対話であり、ACTS「行い」とよく言われます。ACTSとは、AはAdoration賛美。CはConfession懺悔(告白)。TはThanks giving感謝。SはSupplication祈願であり、祈りはこの四つの内容をもっている、というものです。
 それぞれ少し解説します。
○ Adoration 賛美
 賛美とは、神様の素晴らしさを言葉で表現することです。「崇めること」です。神様は、私たちの創造主であり私たちの牧者(羊飼い)で、私たちは神様の被造物でありその牧場の羊です。Adorationとは、私たちを造った方を賛美し崇めることです。よく手紙の初め等に「主の聖名を賛美します」等と記すのはこのことです。
○ Confession 懺悔(告白)
 自分を振り返り、罪を告白することです。私たちは日々の生活の中で、思いと言葉と行いによって多くの罪を犯しています。それを認めて神様の前に懺悔することは神様が喜ばれることです。イエス様の弟子たちのように「あなたはメシアです」「私の主、私の神」のように信仰告白することも含まれるように思います。
○ Thanks giving 感謝
 感謝を献げることです。2024年度のマッテア教会の宣教聖句は「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」(テサロニケの信徒への手紙一 5章16~18節)です。この聖句の続きに「これこそ、キリスト・イエスにおいて神があなたがたに望んでおられることです。」とあります。神様は何事にも感謝することを私たちに望んでおられるのである。
○ Supplication 祈願
 Supplicationは、「嘆願」や「懇願」とも訳せる言葉で、単に願うのでなく、強く継続的に願うことです。マタイによる福音書7章 7節にある通り、神様はその成果を約束されています。
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。叩きなさい。そうすれば、開かれる。」と。

 私たちの祈りは、「感謝」と「祈願」は必ず入っていますが、「賛美」と「懺悔(告白)」は少ないように思います。一回の祈りにACTSの四つ全部を入れなくてもいいと思いますが、この四つの内容を意識することは意義あることと考えます。
 また、ACTSとともに、代祷(とりなしの祈り)Intercessionにも配慮することは大切です。それは友や他者のために祈ることです。
  そして、イエス様のゲッセマネの祈りや十字架上の「み手にゆだねます」との祈りのように、神様のみ心がなされるよう、私たちがそうできるように祈り求めたいと思います。
 ぜひ、皆さん、ACTSと代祷等に配慮して、神様と積極的に対話してみてください。それにより、日々の生活が豊かになります。