少し前になりますが、今年の1月10日にロックの三大ギタリストの一人、ジェフ・ベックが天に召されました。78歳でした。私にとってのジェフ・ベックはロッド・スチュワートとの共演した演奏が印象的でした。奇しくも1月10日はロッド・スチュワートの誕生日であり、その日は私の誕生日でもあります。第1期ジェフ・ベック・グループに参加したロッド・スチュワートでしたが、私が今回思い浮かべた演奏は1985年に再び共演した「ピープル・ゲット・レディ(People get ready)」です。信仰とは無縁と思われがちなロック・アーティストですが、この曲はキリスト教精神にあふれる曲と言えます。
ジェフ・ベックの「ピープル・ゲット・レディ」を私はこのCD「Flash」で聞いています。
この演奏は以下のURLで聞く(見る)ことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=yC_j_dzkaVE&list=RDyC_j_dzkaVE&start_radio=1
ロッド・スチュワートのボーカルとジェフ・ベックのギターが会話をしているようです。
「ピープル・ゲット・レディ」のオリジナルはカーティス・メイフィールドが作り、所属するインプレッションズ名義で1965年に発表されました。
この曲の歌詞と訳は以下の通りです。
People get ready, there's a train a comin'
You don't need no baggage, You just get on board
みんな準備しろ 列車が近づいてくる
荷物なんていらない ただ乗り込めばいい
All you need is faith to hear the diesels hummin'
Don't need no ticket, You just thank the Lord
信じる心が必要だ 列車のハミングが聞こえるだろ
チケットもいらない 神に感謝するだけで
So people get ready, for the train to Jordan
Picking up passengers coast to coast
だからみんな用意はいいかい ヨルダン行きの列車に乗ろう
乗客を拾い上げていく あちこち 国中をまわって
Faith is the key, open the doors and board 'em
There's hope for all, among those loved the most
信じる心が鍵だ ドアを開けてみんなを乗せよう
すべての者に希望がある 神に深く愛されているから
There ain't no room for the hopeless sinner
Whom would hurt all mankind, just to save his own,
believe me now
部屋が用意されてないのは 悔い改める見込みのない罪人だ
その者はすべての人間を傷つける 自分だけが助かりたいために
今こそ私を信じなさい
Have pity on those whose chances grow thinner
For there is no hiding place, against the kingdom's throne
憐れみをお与えください 機会を自ら減らしてしまう者に
王国の玉座から もう隠れる場所もない
People get ready, there's a train a comin'
You don't need no baggage, You just get on board
みんな準備しろ 列車が近づいてくる
荷物なんていらない ただ乗り込めばいい
All you need is faith to hear the diesels hummin'
Don't need no ticket, You just thank the Lord
信じる心が必要だ 列車のハミングが聞こえるだろ
チケットもいらない 神に感謝するだけで
神の国に行くには、荷物もチケットもいらない、信じる心があればただ乗り込めばいい、とロッド・スチュワートが力強く歌い上げています。
私は洗礼を授けてくださった斎藤章二先生の説教を思います。「東京に行くには、歩いて行く必要はない、ただ東京(当時は上野)行きの列車に乗ればいい」とお話していたことを思い出しました。
この曲の列車の行き先は「ヨルダン川」です。ヨルダン川は主イエス様が洗礼を受けた場所で、そのとき神の声が聞こえました。マタイによる福音書3章16~17節にこうあります。
『イエスは洗礼を受けると、すぐに水から上がられた。すると、天が開け、神の霊が鳩のようにご自分の上に降って来るのを御覧になった。そして、「これは私の愛する子、私の心に適う者」と言う声が、天から聞こえた。』
この列車に乗り込めば、神の御子イエス様にまみえることができるのです。そのためには信じる心(信仰)さえあればいいと言うのです。
ジェフ・ベックは、2014年の韓国公演で黄色いリボンをつけ「これから演奏する曲をフェリー(セウォル号)の犠牲者に捧げたい。行方不明者が無事に帰ってきてほしい。これは希望の歌だ」と言い、「ピープル・ゲット・レディ」を演奏しました。それは、ジェフ・ベックのキリスト教精神に基づく愛情表現だったと私には思えます。
イエス様の洗礼時に似た御言葉がマタイによる福音書 17:5にあります。イエス様の変容貌の折りにおける父なる神の言葉です。
『すると、「これは私の愛する子、私の心に適う者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。』
父なる神様が望まれていることは、御子イエス・キリストの御言葉に聞くことです。
3月8日(水)から『大斎節中の「朝の祈り」と「ロザリオの祈り」』を開始しました。初日は4名の参加者を得て実施でき、感謝の時でした。火曜日から金曜日の毎日10時半から前橋聖マッテア教会聖堂で行っています。そこで、主の御言葉を聞いています。
ジェフ・ベックの御国での魂の平安を祈ると共に、彼のキリスト教精神に倣い、主イエス・キリストの御言葉に聞き従う人生を歩みたいと思います。