マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング「ウッドストック」に思う』

 ザ・バーズやクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング等で活躍したフォーク・ロックのシンガー・ソングライター、デヴィッド・クロスビー(David Crosby)が去る1月18日に天に召されました。81歳でした。
 クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングで私がすぐ思い浮かぶのは、1970年公開のアメリカ映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』でのライブ演奏及びエンドロールで流れたテーマソング「ウッドストック」です。
 私はCSN&Yのこのアルバム『デジャヴ(Déjà Vu)』で聞いています。

 「ウッドストック」は1970年3月にシングルと同時にアルバム『デジャヴ(Déjà Vu)』に収録されました。このアルバムは、全米1位を獲得しました。どの曲も4人の個性が見事に開花しています。
 「ウッドストック」の曲はジョニ・ミッチェルが作詞作曲したものです。クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの「ウッドストック」(映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』のエンドロール)は下のURLで聞く(観る)ことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=m8FL96FxgSY

 「ウッドストック」の歌詞と訳は以下の通りです。

   Woodstock ウッドストック

I came upon a child of God He was walking along the road
And I asked him where are you going And this he told me
I'm going on down to Yasgur's farm 
I'm going to join in a rock 'n' roll band
I'm going to camp out on the land
I'm going to try an' get my soul free
私は神の子に出会った 彼は道を歩いていた
そこで私は尋ねた、どこに行くのかと そしてこれが彼の答えだった
ぼくはヤスガーの農場へ行くのさ
ぼくはロックンロール・バンドに加わるんだ
ぼくはその地でキャンプをするんだ
ぼくは魂を解放しようと思っているのさ

We are stardust We are golden
We are billion-year-old carbon
And we've got to get ourselves Back to the garden
私たちは星くず 黄金のように輝く
何十億年を旅してきた炭素の一粒
そして私たちは自分自身を取り戻し 楽園に帰るのだ

Then can I walk beside you 
I have come here to lose the smog
And I feel to be a cog in something turning
Well maybe it is just the time of year
Or maybe it's the time of man
I don't know who I am 
But you know life is for learning
では君と一緒に歩いてもよいだろうか 
私がここへ来たのは、スモッグから逃れるため
そして自分が回転機械の歯車のように感じるから
たぶんこれが、人生で最高の時なんだろう
それとも、素敵なのは人々なんだろう
私は自分がなにものか分からない 
でも分かるだろ、人生は学ぶためにあるのだ

By the time we got to Woodstock
We were half a million strong
And everywhere there was song and celebration
And I dreamed I saw the bombers  jet planes
Riding shotgun in the sky
turning into butterflies Above our nation
私たちがウッドストックへ着いた頃には
その数は100万人の半分ほどに達していた
そしていたるところで歌とお祝いがあった
そして私は夢をみた、そこには何機ものジェット爆撃機
助手席に座って空へと駆ければ
それらは蝶に変わる 私たちの国の上で
 
We are stardust, we are golden
We are caught in the devil's bargain
And we got to get ourselves
Back to the garden
私たちは星くず 黄金のように輝く
私たちは悪魔の大盤振る舞いに囚われていた
そして私たちは自分自身を取り戻し 楽園に帰るのだ

 曲の冒頭から、出会った「ウッドストック・フェスティバル(Woodstock Music and Art Festival)」に参加する男性を「a child of God(神の子)」と呼んでいることに注目しました。そこに参加する目的は、魂を解放し、自分自身を取り戻すことで、その会場を「the garden」と呼んでいます。神の子が自分自身を取り戻すところなので、単なる「庭園」でなく「楽園」と訳してみました。
 「楽園」は paradiseです。七十人訳聖書においてギリシャ語の parádeisos はヘブライ語の pardes と gan(庭)の両方の訳語とされました。この用法から、paradise がエデンの園を意味する用法が始まりました。ですから、the garden は「楽園」と訳しましたが、「エデンの園」とも訳すこともできるのです。創世記2章15節にこうあります。
「神である主は、エデンの園に人を連れて来て、そこに住まわせた。そこを耕し、守るためであった。」
 「ウッドストック・フェスティバル」は1969年8月15日から17日までの3日間、米国・ニューヨーク州ベセルで開かれた野外コンサートで、「愛と平和(Love&Peace)」をテーマとしていました。世界ではヴェトナム戦争が激しかった時でしたが、この3日間はこの世の楽園(エデンの園)のように思われました。そこに人間を住まわせたのは神様でした。そこに帰ることが真の幸せであり、そこで魂が解放され自分自身を取り戻すことができるのです。私たちもこの「楽園」に帰還したいと願うものであります。
 CSN&Yの「ウッドストック」からこのようなことを思い巡らしました。