マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『ジョージ・ハリスン「マイ・スウィート・ロード」に思う』

 去る11月29日は2001年に58歳で亡くなったビートルズリードギタージョージ・ハリスンの命日でした。NHKのラジオ深夜便でも、深夜2時からのロマンティックコンサートのビンテージロックの特集でジョージ・ハリスンの作品集をやっていました。
 ビートルズの時代には「静かなビートル」と言われていたジョージ・ハリスンですが、解散後に4人のうち最初にヒットチャートの一位になったのがジョージの「マイ・スウィート・ロード」でした。彼の3rdアルバム「All Things Must Pass」(1970年) に収録されている曲です。

 次のURLで聞く(見る)ことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=H9iV8SK6f_s

 私が聞いているのは2001年にリマスターされたこのCDです。購入してしばらくしてジョージが亡くなり、ショックだったことを思い出します。

 「マイ・スウィート・ロード」の歌詞と和訳を下に示します。

My sweet Lord
我が愛しい神よ

I really wanna see you Really wanna be with you
Really wanna see you, Lord But it takes so long, my Lord
心から、あなたにお会いしたいのです 心から、あなたと共にありたいのです
心から、あなたにお会いしたいのです、神よ しかし、それには時間がかかります、我が神よ

My sweet Lord
我が愛しい神よ

I really wanna know you  I'd really wanna go with you
I really wanna show you, Lord  That it won't take long, my Lord
心から、あなたの事を知りたいのです 心から、あなたと共に進みたいのです
心から、あなたにお見せしたいのです、神よ それには時間はかかりません、我が神よ

(Hallelujah) My sweet Lord (Hallelujah)
(主を賛美せよ) 我が愛しい神よ

I really wanna know you (Hallelujah) Really wanna go with you (Hallelujah)
I really wanna show you, Lord  That it won't take long, my Lord
心から、あなたの事を知りたいのです 心から、あなたと共に進みたいのです
心から、あなたにお見せしたいのです、神よ それには時間はかかりません、我が神よ

Oh, oh, my sweet Lord (Krishna Krishna)
我が愛しい神よ(ハレ・クリシュナ

Now, I really wanna see you (Hare Rama) Really wanna be with you (Hare Rama)
Really wanna see you, Lord But it takes so long, my Lord
心から、あなたにお会いしたいのです(ハレ・ラーマ) 心から、あなたと共にありたいのです
心から、あなたにお会いしたいのです、神よ しかし、それには時間がかかります、我が神よ

Mmm, my Lord (Hallelujah)
我が愛しい神よ(ハレルヤ)

 この曲はインド哲学に傾倒していたジョージがヒンズー教の神々を讃えた曲と言われていますが、和訳してみると、これは聖歌・讃美歌ではないかと思いました。Lord(主・神)にMy sweet(我が愛しい)と形容していることが驚きです。sweetを辞書で引くと「甘美な、愛しい、優しい、思いやりのある、親切な、すてきな、素晴らしい」とありました。

「心から、あなたにお会いしたいのです。心から、あなたと共にありたいのです」と率直に訴える心根にジョージの信仰の深さを感じます。ジョージの母はアイルランド系の敬虔なカトリック教徒であったと言われます。ジョージも小学校の高学年まで母に連れられ教会に通ったそうです。ジョージの後妻オリビアも「彼はクリスチャンでした」と証言しているようです。インド音楽インド哲学・宗教に心酔していたジョージですが、根っこにはキリスト教があったと考えます。
『「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」これは、「神は私たちと共におられる」という意味である。』(マタイによる福音書1:23)とあります。
 私たちが信じる神様は、インマヌエル、私たちと共におられる「主(Lord)」です。この曲では、私たちが信仰する神様(主)にMy sweet (我が愛しい)と親しみを込めて歌っています。
 私たちも「マイ・スウィート・ロード」のように、私たちの信仰する神様(主)をMy sweet(我が愛しい)と親しく形容したいものだと思います。
 降臨節(アドベント)が始まりました。神様(主)が共におられることに感謝して、主の降臨(来臨)を待ち望みたいと思います。