この7月にユーミンこと松任谷(旧姓荒井)由実は、デビュー50周年を迎えます。ユーミンは幼稚園はカトリック八王子教会の附属、中高は立教女学院でした。キリスト教がユーミンの音楽に及ぼした影響は小さくないと考えます。
ベルベットイースターという、曲名にそのまま教会の大祝日名が入っている曲もあります。ここでユーミンの演奏と歌詞が確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=l-tEOKJVoKo
「翳りゆく部屋」はカトリックの聖マリアカテドラルのパイプオルガンを使い録音されました。夫の松任谷正隆の演奏もこのアドレスで聞くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=gUZU-QYjG3A
「ユーミンとキリスト教」については、この自叙伝でも記されています。
この本にこうあります(P.100)。
『教会音楽には影響受けたと思う。中学の時には聖歌隊に入っていた。2年ぐらいしかいなかったけど、音楽的にはずいぶん影響を受けたと思う。だって、毎日礼拝があるのよ。毎日歌うのよ。朝8時頃から授業が始まって、2時間目の後10時頃になると礼拝の時間があるわけ。歌ったりお祈りしたりするのだけれど、私は「グレゴリアンチャント」というのがすごく好きだった。・・・』
かなり教会音楽に影響を受けたことが記されています。聖歌隊にも入っていたのですね。
私がユーミンの曲でキリスト教を最も感じるのは「やさしさに包まれたなら」です。歌詞はこうです。
「小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
やさしい気持で目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ
カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ
小さい頃は神さまがいて
毎日愛を届けてくれた
心の奥にしまい忘れた
大切な箱 ひらくときは今
雨上がりの庭で くちなしの香りの
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ
カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ 」
この曲のユーミンのアコースティク・ライブを下のアドレスで見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=LfQ0MVIYFnM
心のカーテンを開いて、静かな木洩れ日のやさしさに包まれたなら、目に映るすべての出来事はメッセージ。このやさしさは神様からのものであり、それに包まれるなら、神様の声であるメッセージが聞こえる。それに出会うことが、大人になっても起こる「奇蹟」だと、ユーミンは言っているように思います。 「小さい頃は神さまがいて」と歌い出しますが、カトリックの幼稚園にいたユーミンにとって、小さい頃神様がいることは自然なことだったと思います。公立の小学校にいる時も、日常的にお祈りをしていたそうです。
私たちに求められていることは神様の優しさに包まれること、神様の愛に身を委ねること。この曲はそのようなことを私たちに伝えているように思います。
神様に全てを委ねたときに「奇蹟」は起きる。心を開いて、全てをよしとして愛を届けてくださるお方に出会うこと。そのことを求めて、日々祈りながら毎日を過ごしたいと思います。