前々回のブログで「バビロン川のほとりで BWV653」(バッハ作曲)、特にシュヴァイツァーのオルガン演奏について思い巡らしました。「バビロン川のほとりで」については、クラシックだけでなく、ポップスでもこの詩編にちなむ曲があります。それが「怪僧ラスプーチン」などの曲でも知られるドイツのディスコバンド「ボニーM」の「バビロンの河」です。私はこのベスト盤で聞いています。
「ボニーM」の「バビロンの河(Rivers of Babylon)」はこのyoutubedeで聞く(見る)ことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=2FgDles4xq8
「ボニーM」はドイツのバンドですが、メンバーはすべて海外(中南米とアフリカ出身)から呼び集め、歌詞も英語でした。「バビロンの河(Rivers of Babylon)」は、オリジナルはジャマイカのレゲエ・グループ「ザ・メロディアンズ」(The Melodians)が1970年にリリースした楽曲で、1978年に「ボニーM」(Boney M.)がカバーし、世界的なヒット曲となりました。
「バビロンの河 Rivers of Babylon」の歌詞はこうです。
By the rivers of Babylon There we sat down
Ye-eah we wept When we remembered Zion
When the wicked Carried us away in captivity
Required from us a song Now how shall we
Sing the Lord's song In a strange land
Let the words of our mouth And the meditation of our heart
Be acceptable in thy sight Here tonight
By the rivers of Babylon There we sat down
Ye-eah we wept When we remembered Zion
和訳はこうです。
バビロン河のほとりで 我らは腰を下ろし
泣いて悲しんだ シオンを思い出しながら
<注:シオンはエルサレム地方の歴史的地名>
邪悪な者たちが 我らを連れ去り捕虜とした
我らは歌を強要されたが こんな異国の地で
主に捧げる歌をどうして歌えようか
我らが口ずさむ言葉が 我らの心の瞑想が
主の御心にかないますように 今夜この地で
バビロン河のほとりで 我らは腰を下ろし
泣いて悲しんだ シオンを思い出しながら
*これはバビロン捕囚を嘆くエルサレムの民の詩で、詩篇137の前半部分を歌ったものです。
「民族全体が捕囚になる」という悲惨な状況を歌った歌詞ですが、明るくカリプソの香りのするダンサブルなナンバーとなっています。1970年代後半のディスコブームの波に乗ったとはいえ、この曲はドイツ・全英とも1位 になり、特に全英では5週連続のNo.1となりました。そればかりでなく40週に渡りチャートに居座り続け全英チャート歴代4位の記録(200万枚)となりました。日本では最高位4位でした。
悲惨な状況を嘆く詩編を親しみ易いメロディーで楽しいダンスナンバーにするアイディアも素晴らしいですが、それが世界的なヒットとなったという事実にも目を見張るものがあります。男女の恋愛ばかりに目を向けるJポップスとは一線を画すものと言えます。
捕囚という悲惨な状況もそれを嘆くだけでなく、必ず帰還する日が来るという希望を持ち、主の御心にかなうよう祈る姿勢に学びたいと思います。