『「パスカルの祈り」に思う』
少し前になりますが、7月24日(水)のFEBC(キリスト教放送局)の番組「祈りのともしび―ひとつごころで御前に立つ」で「いまからのち―ブレーズ・パスカルの祈り」が取り上げられました。その放送は以下のURLで聞くことができます。開始から約43分後にその番組が始まります。
https://www.febcjp.com/2024/07/24/
「パスカルの祈り」は以下のようです。
『ああ、主よ。
今からのち、あなたのために、あなたと共に、あなたのうちで、私の健康や生涯を役立てる以外には、私が健康や長寿をことさらに求めることがありませんように。
ただあなただけが、私にとって何が最善であるかをご存知です。ですから、あなたがご覧になって最も良いと思われることをなさってください。私に与え、私から取り去ってください。私の意思をあなたのご意思に従わせてください。
そして、へりくだった全き従順をもって、聖なる信頼のうちに、あなたの永遠の摂理に基づくご命令を私が受け取ることができますように。そしてまた、あなたから与えられる全てのものを賛美することができますように。
イエス・キリスト、我らの主によって。』
この祈りは、以前に購入したこの本「祈りの花束~聖書から現代までのキリスト者の祈り~」(ヴェロニカ・ズンデル編 中村妙子訳)にも収録されていました。

ブレーズ・パスカルは17世紀フランスの哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者であり、「人間は考える葦である」などの多くの名言や遺稿集『パンセ』で有名です。
パスカルは生涯、多くの病気に苦しまされていたそうですが、この祈りでは「私の健康や生涯を役立てる以外には、私が健康や長寿をことさらに求めることがありませんように。」と驚きの祈りをしています。健康や長寿を求めるこは人間として当たり前のように思いがちですが、パスカルは「健康を神に役立てる以外に求めることがないように」と祈っています。
FEBCの番組では平野克己先生(日本基督教団代田教会牧師)が、がんで余命1年と宣告されたご自分の教会の信徒のエピソードを紹介しています。この方は健康や長寿をことさらに求めることをされませんでした。ぜひ番組をお聞きください。
この祈りでは、「あなたがご覧になって最も良いと思われることをなさってください。」「私の意思をあなたのご意思に従わせてください。」と神に祈っています。ここに祈りの本質があると思います。自分の願いを叶えてほしいと祈るのでなく、神のみ旨がなされるように、自分の意思を神の意思に従うことができるよう祈るということです。最後には、神の命令を受け取ることができるように、神が与える全てのものを賛美できるようにと祈っています。
祈りは自分の願いを実現させる手段ではありません。あくまで神中心で、神のみ旨が行われるよう、そして、私たちが神の思いを受け止め、それに従うことができるようにと祈るのがキリスト者の祈りです。この「パスカルの祈り」はそのことを如実に示している「模範」ともいえる「本当の祈り」だと思います。