マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『マヘリア・ジャクソン「いざ高き天国へ」に思う』

 前々回(10月20日)のブログで『「ヤコブの天の梯子」と「天国への階段」』について思い巡らしました。天国については、9月15日のブログで取り上げたマヘリア・ジャクソンにも「いざ高き天国へ」と邦題のついたゴスペルソングがあります。「いざ高き天国へ(原題:I Will Move On Up a Little Higher)」は1947年の吹込で、200万枚を越すベスト・セラー(SP盤)となり、全米にマヘリア・ジャクソン(Mahalia Jackson)の名声が広まりました。彼女の出世作と言えます。
 私はこの曲を、このCD「エッセンシャル・マヘリア・ジャクソン」で聞いています。

 Mahalia Jackson ~ I Will Move On Up a Little Higher は下のURLで聞くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=dgqcADtkSwY

 原詩と私の訳を下に示します。
 I Will Move On Up a Little Higher  「いざ高き天国へ」

One a-these mornings Soon one morning
I'm gonna lay down my cross Get me a crown
Soon one evening Late in the evening
Late in the evening I'm going home live on high
ある朝 私は私の十字架を置くでしょう
王冠を手に入れて
すぐにある晩 夕方遅く
夕方遅く 私は家に帰るでしょう

Soon as my feet strike Zion Lay down my heavy burden
Put on my robe in glory Going home one day and tell my story
I've been coming over hills and mountain
Gonna drink from the Christian fountain
Your know all of God's sons and daughters that morning
Will drink that ole healing water
すぐに天国に突き当たると 重い負担は軽減する
栄光の上衣を着て ある日家に帰って私の話をする
丘や山を越えてきた、と
キリストの泉から飲みましょう
あなたはその朝、神のすべての息子と娘を知る
その古の癒しの水を飲むでしょう

And we gonna live on forever We gonna live on forever
We gonna live on up in glory after awhile
そして私たちは永遠に生きます 永遠に生きるでしょう
私たちはしばらくして栄光の中、生き続けるでしょう

O Lord, I'm going outside to sing and bugle March all around God's altar
Gonna walk and never get tired Gonna fly Lord and never falter
主よ、私は外で歌いラッパを吹くでしょう 神の祭壇を巡って行進します
歩いて飽きない 主を飛ばして決して迷うことはありません

I'm gonna move up a little higher Gonna meet Old man Daniel
Gonna move on up a little higher Gonna meet the Hebrew children
Gonna move on up a little higher Gonna meet Paul and Silas
Gonna move on up a little higher Gonna meet my friends and kindred
Gonna move on up a little higher Gonna meet my loving mother
I'm gonna move on up a little higher         
天国に移ります そこでダニエル老人に会うでしょう
天国に移ります そこでヘブライ人の子供たちに会うでしょう
天国に移ります そこでパウロとシラスに会うでしょう
天国に移ります そこで友達や親族に会うでしょう
天国に移ります そこで愛する母に会うでしょう
天国に移ります

Gonna meet the Lily of the Valley I'm gonna feast with the Rose of Sharon
谷間のユリに会うでしょう シャロンのバラでもてなすでしょう

It will be always howdy, howdy Will be always howdy, howdy
Will be always howdy, howdy And never goodbye        
そこで「やあ」と挨拶するでしょう いつも「やあ」と挨拶するでしょう
いつも「やあ」と挨拶するでしょう そして決して「さようなら」ではない

O will you be there Early one morning
Will you be there Somewhere 'round the altar
Will you be there O when the angels shall call the roll
おお、あなたはそこにいますか ある早朝 そこにいますか
祭壇のどこかにいますか 天使が聖書を呼ぶとき

God knows I'll be waiting Yes, I'll be watching somewhere 'round the altar
Well I'll be waiting O at the beautiful, yes golden gates
神は私が待っていることを知っています ええ、祭壇のどこかで見ています
ええ私は待っています おお美しい黄金の門で

Meet me there early one morning Meet me there somewhere 'round the altar
Meet me there O when the angels shall call God's roll
ある朝早くそこで会いましょう 祭壇のどこかで
そこで会いましょう おお天使たちが聖書を呼ぶとき

 この曲が第二次大戦後の1947年にベストセラーになったことは、時代とも関係があると考えます。多くの人が戦争のため命を落とした記憶が新鮮だったときです。こう歌っています。   
『Gonna move on up a little higher Gonna meet my friends and kindred
 Gonna move on up a little higher Gonna meet my loving mother
 天国に移ります そこで友達や親族に会うでしょう
 天国に移ります そこで愛する母に会うでしょう
 And we gonna live on forever We gonna live on forever
 そして私たちは永遠に生きます 永遠に生きるでしょう』
 多くの家族や親族、友人たちが命を落とした世界大戦、しかし、死は終わりではない。「天国で再会できる。そこで私たちは永遠に生きる」と歌っているのです。

 昨日、会館で仕事をしていると「教会を見せていただけませんか?」と私と同年齢の御婦人が声をかけてきました。基本的に月曜はオフなので、聖堂を開けていなかったのです。お話を伺うと、「兄を昨日、お寺の墓地に納骨したのでお祈りがしたい」ということでした。聖堂の鍵を開けると、その方は祭壇に向かって手を合わせておられました。
 その方は「人は死んだらどうなるのでしょう?」と尋ねて来られました。私が「キリスト教では、帰天といって、生まれる前の魂のふるさとに帰ると考えています」と言いますと、「それはいい考えですね」と話されました。

 死はすべての終わりではありません。私たちは母をはじめ、愛する人たちに天国で再会できるのです。「いざ高き天国へ」、この世の命が終わる時、天国に移ることは悲しみではありません。私たちは神の栄光に包まれ、生き続けるのであります。そのことを忘れず、今しばらく、この世で、神の御心を果たしたいと切に願います。