私は2019年4月から玉村町のマーガレット幼稚園のチャプレンをしています。群馬県においては、高崎も新町も榛名も幼稚園を止めてしまいましたので、聖公会の幼稚園は玉村が唯一となっております。
月一度、誕生会で礼拝及びお話をしています。理事会に出て意見を言ったり入園式・卒園式・運動会・クリスマス礼拝等の行事でお祈り等をしています。先生方に特別支援教育やミュージック・ケアなどの研修を行ったりもしています。
今回は、マーガレット幼稚園の誕生会について記したいと思います。
マーガレット幼稚園は私のチャプレン就任と同時にこども園となり、0歳児から受け入れており、誕生会も聖書朗読とその解説及び祈りという従来のパターンでは対応できないと考え、手遊び歌や絵本を使い、子どもたちの様子を見ながら進めています。
8月の誕生会は23日に行われました。私はいつも指導案のようなプランを作って臨んでいます。今回はこのようなものでした。
『2022年8月23日 マーガレット幼稚園誕生会「くまちゃんといっしょ も うだいじょうぶ(詩編23から)」
○ ねらい
「くまちゃんといっしょ もうだいじょうぶ」のお話から、神様が私たちといつも一緒にいて見守り世話をしておられることを知り、羊飼いのくまちゃんと一緒に祈ろうとする。
○ 聖句
『主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。あなたがわたしと共にいてくださる。』(詩編23編1・4節から)
1 導入
○ 誕生者祝福
<一人一人の誕生者の頭の上に(距離をおく)手を置いて、名前を呼び祝福する>
○ 不思議なカバン
これは何でしょうか? 不思議なカバンです。このカバンの中にはある動物が入っています。不思議なカバンには歌があります。この歌を歌って、みんなが「出ておいで」と言うとこのカバンから出てきてくれます。こんな歌です。
「不思議なカバン バンバン 不思議なカバン バンバン
バン バラバン バン バラバン さあ、出ておいで」
「せえの!」(みんな)「出ておいで!」
(ぬいぐるみの羊を見せながら)「この動物は何ですか?」
羊さんですね。
○手遊び歌「もこもこひつじさん」
3年前にした羊さんの手遊び歌を覚えていますか?
やってみましょう。
1 もこもこもこもこひつじさん もこもこもこもこひつじさん
うでももこもこ うでももこもこ
おなかももこもこ おなかももこもこ
あったかいね あったかいね
2 もこもこもこもこひつじさん もこもこもこもこひつじさん
あたまももこもこ あたまももこもこ
ほっぺももこもこ ほっぺももこもこ
あったかいね あったかいね
(園児たちを認め)「みんなうまいね。」
2 絵本「くまちゃんといっしょ もうだいじょうぶ」 (リンダ・パリー 著 /アラン・パリー 絵 /脇田晶子 日本文) を読む。
今日は羊の出てくるこの絵本を読みます。
<園児の様子を見ながら、ゆっくり丁寧に心を込めて読む>
(内容(詩編23から))
神様は羊飼いのよう。わたしは神様の小さな羊
羊飼いは羊を緑の野原に連れていき、きれいな泉で水を飲ませる
神様は毎日新しい力をくださる
神様は神様だから わたしを正しい道を教えてくださる
暗いところを歩いても わたしはこわくありません。神様、あなたがいっしょだから
羊には緑の草を わたしにはおいしい食事を 神様はいつも準備してくださる
神様、あなたがくださるお恵みはわたしの両手にあふれます
神様の恵みとやさしさにつつまれて わたしはいつまでも神様の家でおそばにいたい
3 振り返り
○ このお話が「いいな」と思った人(挙手を募る)?
○ どこが良かったですか?・・・(自由に発言させ、それぞれ認める) e.g.神さまの夢が分かるところ・・・「神様は羊飼いのよう。わたしは神様の小さな羊」・「暗いところを歩いても わたしはこわくありません。神様、あなたがいっしょだから」・「神様の恵みとやさしさにつつまれて わたしはいつまでも神様の家でおそばにいたい」etc.
○ このお話で神様がみんなに教えていることはどんなことでしょうか?・・・神様が羊飼い、私たちは羊で、神様は私たちを大事にしてくださる。神様はいつも私たちのそばにいて守ってくださる。etc.
*私たちは羊、神様は羊飼いで、いつも私たちと一緒にいて私たちを見守り世話をしてくださっています。うれしいですね。羊飼いのくまちゃんといっしょにお祈りしましょう。
4 祈り
父なる神様、私たちを8月の誕生会に集めてくださりありがとうございます。お誕生日を迎えたお友達をお祝いしてください。
私たちは羊、神様は羊飼いで、いつも私たちと一緒にいて、私たちを見守り世話をしてくださっています。私たちが羊飼いのくまちゃんと一緒にお祈りできるようお導きください。
これらのことを、主イエス様によってお願いいたします。アーメン 』
「不思議なカバン」(この子たちに初めてしました)と手遊び歌「もこもこひつじさん」を子どもたちはとても喜んで、私と一緒に動作を交えて歌っていました。絵本「くまちゃんといっしょ もうだいじょうぶ」も集中して見て聞いていました。
「このお話がいいなと思った人?」と聞くと年少以上のほとんどの子が手を挙げていました。「どこが良かったですか?」と聞くと「最初」「最後」とか絵本をめくりながら「5ページ目」などという子もいました。「全部」と言う子もいました。「このお話で神様はみんなにどんなことを教えているでしょうか?」の発問は難しかったようで答えがなかったので「神様はどのような方でしょうか?」と発問を変えました。すると「守ってくれる」という答えがありました。
最後のお祈りに集中していない子もいたので、「イエス様(磔刑図がホールの奥にあります)を見ましょう。みんなが見るとイエス様もみんなを見てくれるよ。それはみんなを見守っていることです」と話しました。すると跪きながらイエスを見つめる子が増えました。
私は38年間、公立学校の教員として勤め、特に後半の28年間は特別支援教育に携わりました(「不思議なカバン」はその時の持ち芸です)が、0歳児から6歳児までの認定こども園の誕生会で、その経験が役に立っていると感じ、感謝しています。これからも「手遊び歌」や絵本等、子どもたちの実態応じた配慮をすると共に、神様の御心を伝える「誕生会」でありたいと願っています。