マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『ザ・ローリング・ストーンズの「Salt Of The Earth(地の塩)」に思う』

 先主日の説教で、主に従う小さな群れに神は神の国をお与えになることを述べました。
 この世で小さくされた人々が祝福されるということで思い浮かぶ曲としては、前々回のブログで紹介したザ・ローリング・ストーンズのLP『ベガーズ・バンケット(乞食の宴会)』というB面最後に収録されている「Salt Of The Earth(地の塩)」があります。
  私は今回、久しぶりにこのDVDでこの曲を聴き(見)ました。

 この「ロックン・ロール・サーカス」は1968年12月に収録され、英国では翌年1月1日に放映され、しばらく封印され2004年にDVDが出て、私はその折りに購入しました。今年ちょうどストーンズ結成60周年等を記念して、8月5日から渋谷Bunkamura等でロードショーが始まっています。
 「Salt Of The Earth(地の塩)」は以下のアドレスでこの映像を見る(聞く)ことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=n06f6et66NQ

 この曲もミック・ジャガーキース・リチャーズとの共作ですが、最初のリード・ボーカルをキース・リチャーズが珍しく取っていますので、彼の作品であると考えられます。
 この曲の歌詞と訳を示します。

Let's drink to the hard working people
Let's drink to the lowly of birth
Raise your glass to the good and the evil
Let's drink to the salt of the earth
肉体労働者たちに乾杯
下層の生まれに乾杯
善悪違わず杯を上げよう
地の塩に乾杯しよう

Say a prayer for the common foot soldier
Spare a thought for his back breaking work
Say a prayer for his wife and his children
Who burn the fires and who still till the earth
歩兵部隊に祈りをささげよう
骨を折るほど過酷な仕事に
妻と子供に祈りをささげよう
火を絶やさずに耕す人に

And when I search a faceless crowd
A swirling mass of gray and black and white
They don't look real to me
In fact they look so strange
顔なき人の群れに入れば
渦巻く黒と灰と白
現実を映すというより
奇妙なものに見えてくる

Raise your glass to the hard working people
Let's drink to the uncounted heads
Let's think of the wavering millions
Who need leaders but get gamblers instead
肉体労働者たちに杯を上げよう
数えられない人に乾杯
どっちつかずの多数に思いを
リーダー不要のギャンブラーに

Spare a thought for the stay-at-home voter
His empty eyes gaze at strange beauty shows
And a parade of the gray suited grafters
A choice of cancer or polio
在宅投票者のことも忘れないでくれ
うつろな目で美人コンテストや
グレースーツの労働者を見ている人に
癌をとるのか痴呆をとるか

And when I look in the faceless crowd
A swirling mass of grays and black and white
They don't look real to me
Or don't they look so strange
顔なき人の群れをのぞけば
渦巻く灰と黒と白
現実に映るのではなく
奇妙なものに見えてこないか

Let's drink to the hard working people
Let's think of the lowly of birth
Spare a thought for the rag taggy people
Let's drink to the salt of the earth
肉体労働者たちに乾杯
下層の生まれに乾杯
こもかぶりのことも忘れないでくれ
地の塩に乾杯しよう

Let's drink to the hard working people
Let's drink to the salt of the earth
Let's drink to the two thousand million
Let's think of the humble of birth
肉体労働者たちに乾杯
地の塩に乾杯しよう
二十億人に乾杯しよう
卑しき生まれの人に思いを

 キース・リチャーズはじめローリング・ストーンズのメンバーは、自分たちが労働者階級の出身であるという意識があったと考えられます。労働者階級の多くは肉体労働者であり、その人たちが「地の塩」であるというのです。
「地の塩」はマタイによる福音書 5章13節のみ言葉にあります。
「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられようか。もはや、塩としての力を失い、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。」
“You are the salt of the earth. But if the salt loses its saltiness, how can it be made salty again? Itis no longer good for anything, except to be thrown out and trampled underfoot.” (NIV)
 「地の塩」である主に従う小さくされた人々こそが、かけがえない存在であることを示しています。労働して汗をかく肉体労働者こそが、世の中の腐敗を防ぐ塩のような存在であると、この曲で言っているように思います。

 主に従う小さくされた人々が祝福されます。私たちも日本にあって本当に小さな群れですが、「地の塩」として世の中の腐敗を防ぐ塩のような存在であるとイエス様はおっしゃっているのだと思います。そのことをおぼえ、「地の塩」として人生を歩んでいきたいと思います。