マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

『グループ聖書研究の一方法~スウェーデン方式』

 昨年5月からリモート(Zoom)による「聖書に聴く会」を、原則として毎週水曜午後8時から行っています。その週の主日に読まれた聖書(主に福音書)箇所を参加者と丁寧に読み進め、主の御心を尋ね求めています。この会には求道者や未信徒の方も含め、一時は10名近くの方が参加していましたが、先週(21日(火))は私を含めて3名の参加者でした。用事があったり体調が優れなかったりということで、不参加の連絡をしてくださる方もおられますが、参加者が減ってきた一因は、知識偏重であまりに専門的になりすぎたこともあるように感じていました。
 そのような折り、沖縄週間/沖縄の旅Webプログラムの第2夜のブレイクアウトルームで「グループ別聖書の分かち合い」がありました。それは「スウェーデン方式」で行われ、参加者一人一人が聖書のみ言葉を自分との関係で思いを語っていました。
  「スウェーデン方式」は、神学校でグループ聖書研究の一方法として学びまたが、今回久しぶりに体験して、なかなかいい方法だと思いました。

 確か、何かの小冊子に「スウェーデン方式」について記してあったと思って探したら、この本の中にありました。『聖書研究の方法と実際-付 読書会の持ち方』です。

 この小冊子の著者は関本肇、V・I・ゴーリング、森一郎各司祭で、発行日は1970年7月20日、定価はなんと100円でした。
 この本の中にこうありました。
『グループ聖書研究とは、グループによってある章句を一緒に研究し、その聖書の意味が何であるかを確かめることです。リーダーが必要ですが、リーダーの役割は、聖書を講義することではありません。
 聖書研究を指導する場合に覚えておくと非常に役に立つ三つの事を言いましょう。
 (1) この章句は神について何を語っているか。神と人間社会、そして神と私自身との  関係について何を教えているか。
 (2) この章句を私の住んでいる社会、私のいる教会にどう適応するか。
 (3) この章句を、私の生活、私の、神と隣人への義務という点でどう適用するか。
 聖書研究の目的は、この三つの問いかけについて共に考えることなのです。
 <リーダーの役割>
 (中略)
 あなたが指導するグループで話す時間の量を調べて、もしあなたの話す時間が、全体の25%なら良いと思います。これには最初の説明も質問も、全てを含んでのことです。時間の35%を使うとすれば、それはよくないリーダーです。もし時間の50%を使うならそれは講義であって、聖書研究をしているのではありません。
 <方法>
 (方法A~方法Cは略)
[方法D]スウェーデン方式
第1段階=リーダーができるだけ上手に読みます。各節を順番に、メンバーが読んでもいいのですが、それは、最初から聖書研究をするのは、自分たちの仕事であるという意味でそうするのです。章句は短いものがよろしい。
第2段階=前三者と異なり、リーダーは説明しません。
第3段階=聖書に(或いは別紙に)次の三つの印をつけます。(15分)
 ? 自分が質問したいと想う所。(よく分からない所、賛成できない所)
 → 自分の良心に訴え心を刺されると思う所。(行動へとかりたてる所)
    ☥  何べんか読んだあとで、新しく意味を見出した所。(その聖書の箇所の理解に光を投げかけると思う所、又自分の問題に光を与える所)
第4段階=メンバーがどんな印をつけたかを発表し、リーダーはそれを記録します。リーダーは?の印についてメンバー全員に聞き、ついで→と☥というように一つの印ごとに全員に尋ねていくと時間の節約になり、しかもグループのその箇所の理解の傾向が分かります。
第5段階=リーダーはまずなぜそのような疑問が出たのか、なぜ分からないのか、なぜ賛成できないのかポイントをはっきりさせます。そして同じ箇所に他の印をつけた人に、なぜその印をつけたのかを説明してもらい、互いに助け合う形で討論を導きます。みんなが同じ箇所に?をつけた時には、リーダーが説明した方がよいでしょう。
第6段階=リーダーは短くまとめをします。もしメンバーが触れなかった重要なポイントがあれば、リーダーはそれも話したらよいのです。
 この方法は、スウェーデンのYMCAが用いていたので「スウェーデン方式」といいます。これは聖書研究の初心者に適当で、たとえ話や使徒書の研究に用いると良いと思います。』

「聖書研究の目的は共に考えること、リーダーの話す時間が全体の50%を使うならそれは講義であって、聖書研究ではない。」など、反省を促されます。
 グループ聖書研究は、バイブル・シェアリング「聖書の分かち合い」が大切と思いました。み言葉をじっくり読み、一人一人がどう感じたかを伝え合い、聴き合う。これらにより、新たな気づきを得ることができるようになると考えます。

 沖縄週間/沖縄の旅の「グループ別聖書の分かち合い」での「スウェーデン方式」の流れは、以下のようでした。
  ①    聖書輪読
  ②    黙読しながら印をつける
    ・なるほど(共感)    →
    ・分からない(不明)   ?
    ・感動した(心に響いた)  ☥
  ③    一人ずつどこに印をつけたか発表する。
  ④    自由に分かち合う(ディスカッション)
 冒頭述べたZoomで行っている「聖書を聴く会」は次回、この方法でやってみたいと思います。それにより、参加者が受け身でなく、聖書を身近に感じ、一層神と親しく交われるのではないかと思います。