先週の月曜(5月30日)に、前橋の教会の信仰の先達であるJ・K・T兄が82歳で帰天されました。兄の病状が急変した5月19日から「朝の祈り」の聖務日課に続いて「ロザリオの祈り」を始めました。特に、K兄のほか数名の病床にある兄弟姉妹の癒しを名前を挙げて願掛けのように祈り、今もそれを続けています。
聖公会に「ロザリオの祈り」があるのか、と思う方もおられるかもしれませんが、1980年代にアメリカ聖公会の司祭によって考案されロザリオ(アングリカン・ロザリー)がインターネット上(以下のURL)で紹介されています。https://www.nskk.org/hokkaido/sapporo-christ/rozario/rozario.htm
しかし、私がこここのところ行っている「ロザリオの祈り」はそれとは違います。昭和32年に発行された聖ヨハネ修士会編「信者祷文書」の中にある「ロザリーを用いる人のため」(P.140)に基づいた祈りです。
以下、この本の「ロザリーを用いる人のため(一部分)」を転記(必要に応じて注を付け)します。
『 ロザリーを用いる人のため
ロザリーを用いて黙想することは、古い習慣です。誰にも暗記できる短い祈りを繰り返して黙想するところに特色があります。ロザリーの用い方、黙想の題目にも種類がありますが、ここでは2つだけ紹介いたしましょう。
1 主イエスのロザリー
左の手にロザリーを持ち、心を落ち着けて、「父と子と聖霊のみ名によりて(現行は「よって」)アーメン」と唱えながら、自分自身に十字架のしるしをする。次に左の親指と人差し指でロザリーの十字架を持って、使徒信経を唱える。終わって大きな珠を繰り、主の祈りを唱える。次に小さな珠が3つある。1つの珠を繰るごとに「世の罪を除きたもう神の小羊よ、我らをあわれみたまえ(現行は「世の罪を除く神の小羊よ、憐れみをお与えください」)」と唱える。次に大きな珠を繰って、「父と子と聖霊に栄光あれ、始めにあり、今あり、世々限りなくあるなり(現行は「栄光は父と子と聖霊に 初めのように、今も 世々に限りなく」) アーメン」と唱える。
ここまでが黙想の準備です。
黙想は5つずつ3組になっており、ロザリー一回で5つの黙想をするようになっている。まず、ロザリーの輪の基点になっているメダルを右手の親指と人差し指で持ち、後に記す主題を考えて短い祈りを唱え、そのまま主の祈りを唱える。それから小さい十の珠を一つずつ繰りながら「世の罪を除きたもう神の小羊よ、我らをあわれみたまえ(現行は「世の罪を除く神の小羊よ、憐れみをお与えください」)」と十回唱える。これは黙想に伴う祈りであるから、黙想によって心に起こる願いを込めて唱える。第十番目の珠が終わって、大きな珠に指が触れたとき、「父と子と聖霊に栄光あれ、始めにあり、今あり、世々限りなくあるなり(現行は「栄光は父と子と聖霊に 初めのように、今も 世々に限りなく」) アーメン」と唱えて、一つの黙想を終える。第二の黙想はその大きな珠で始め、第一の黙想と同じ方法でくり返す。同じようにして、第三、第四、第五と進んで、一組の黙想を終わるのである。
(一)
1 受肉降生 ヨハネ伝1章14節
御言は肉体となりて我らのうちに宿りたまへり
2 御降誕 ルカ伝2章1-20節
主はおとめマリヤより生まれたまえり
3 御命名 ルカ伝2章21節
主は八日目に割礼を受け、イエスと名づけられたまえり
4 宮にて見いださる ルカ伝2章41-50節
主は十二歳のとき宮にとどまりたまえり
5 洗礼 マタイ伝 3章13-17節
主はヨハネより洗礼を受けたまえり
(二)
1 洗 足 ヨハネ伝13章1-11節
主は弟子たちの足を洗いたまえり
2 ゲッセマネの園 ルカ伝22章39-46節
主は血の汗を流して祈りたまえり
3 とらわれ マルコ伝14章45、46節
主はとらわれたまえり
4 十字架 マルコ伝15章16-39節
主は我らを救わんがために十字架の苦しみを受けたまえり
5 陰 府 ペテロ前書3章18、19節
主は陰府(よみ)にくだりたまえり
(三)
1 復 活 マタイ伝28章1-10節
主はよみがえりたまえり
2 昇 天 使徒行伝1章3-11節
主は天にのぼりたまえり
3 聖霊降臨 使徒行伝2章1-4節
主は弟子たちに聖霊をくだしたまえり
4 栄光の主 ヘブル書1章3節
主は父の右に座したまえり
5 最後の審判 マタイ伝25章31-46節
主は生ける人と死ねる人をさばかんとて再びきたりたもう
二 聖マリヤのロザリー
(カトリック教会と同様なので割愛)』
私は「主イエスのロザリー」の祈りを行うことが多く、時には「聖マリヤのロザリー」の祈りも行います。主イエス様の生涯を黙想し、平和を祈り、特に病床にある兄弟姉妹の癒しを祈っています。20分から25分くらいかかりますが、願掛けのようにして、毎日心を込めて祈っています。
皆さんもぜひ、この「聖公会のロザリオの祈り」を捧げることをお勧めします。