マッテアとマルコの家

勤務している前橋聖マッテア教会や新町聖マルコ教会の情報及び主日の説教原稿並びにキリスト教信仰や文化等について記します。

「LGBTQと教会」に思う

 先日、7月19日(月)19:00から、日本聖公会「正義と平和委員会ジェンダープロジェクト」主催によるZoomによるオンライン研修会「教会とセクシュアル・マイノリティ これだけは知ってほしい!」に参加しました。講師は寺田留架さん(約束の虹ミニストリー代表)と川口 弾さん(研究者/神学・クィア理論)でした。当日は90人以上の参加者があったそうです。
 多くの気づきがありましたが、特に思わされたのは「LGBTQと教会」ということでした。
 LGBTQについてはご存知ですか?
 LGBTQとは、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)を表す言葉で、性的指向性自認を意味する英語の頭文字をとって作られました。Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング、性的指向性自認が定まっていない人)の頭文字をとった言葉です。
 このオンライン研修会では、LGBTQは治す対象ではないこと、相手が何を求めているかを聞くことが大事であること、聖書を都合のいいところだけ切り貼りすることの危うさ等を思いました。
 日本におけるLGBTQの割合は、13人に1人と言われていましたが、調査機関・調査方法によってデータにバラつきがあり、現在では約3%〜10%と考えられているようです。仮に5%としても20人に1人ということで、決して少なくない割合です。教会にもLGBTQの方々がいる、あるいは教会に来られる、と考えることが順当と言えます。

 この研修会で紹介された参考図書を購入しました。約束の虹ミニストリー『なんで教会がツライのか考えてたら出来た性理解のためのブックレット』(エメル出版)です。

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 約束の虹ミニストリーのHPにあるこの本の「内容紹介」にこうあります。
セクシャルマイノリティの人にとって、教会にはどのような「トゲ」があるのか?私たちが考えるべき事、知るべき事とは何なのか―― ふんだんなイラストとやさしい言葉、当事者クリスチャンやアライ(味方)クリスチャンによる証しを通して、ご一緒に学んでみませんか? 罪か罪じゃないかという「神学的考察の対象」ではなく、互いに「一人の人として」改めて知り合うための知恵が詰まったブックレットです。』
 このサイトから購入することができます。まとめ買いをすると割引になります。https://emer.base.ec/items/37597197

 この本の中の「見えないトゲがある教会」のページに、「教会の受付名簿が男女別でどちらかを選ぶことが苦痛。戸籍上の性別を記入しづらい。」という表記がありました。以前の教会では受付名簿が男女別でした。LGBTQの方に「大変な思いをさせていた」と反省しました。このページには、説教で、例えば「神様は男女が惹かれ合うように創造されました。生めよふえよ・・・」というようなメッセージをされると、「私は神様に愛されていないのかなぁ」と感じる、ということも記されていました。
 まずは、当事者の立場に寄り添い、受付名簿を男女別にしない、説教では「一人一人は神様のユニークな作品で、その人らしい生き方で神様の栄光をあらわせる」などのメッセージを語っていきたいと思わされました。
 教会が「どなたでもお越しください」ということをLGBTQの方を含むすべての人に現実にできることは何なのか、これから続けて思い巡らしていきたいと思います。